Introducing RONDCOM CREST FiANA
世界最高レベルの精度を誇る真円度・円筒形状測定器RONDCOM CRESTのベース技術を応用して誕生した新製品。極細プローブによって、最小0.14mmの極細穴内部の非接触計測が可能になりました。
超高精度真円度・円筒形状測定機
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特許出願中
新開発の駆動・ガイド方式により実現した、世界最高クラスの超高精度
RONDCOM CREST は、コラムのZ 軸および駆動部のR 軸に東京精密の伝統と技術の粋を結集した新開発の機構を搭載しています。 駆動方式には、当社の表面粗さ・輪郭形状測定機で長年定評のある非接触・低振動リニアモータ駆動技術と、新たに開発した独自の位置決め機構を組み合わせた新方式を採用。また、ガイド方式は三次元座標測定機で長年培い、RONDCOM 60シリーズへ応用してきたエアベアリングによる非接触支持技術を継承し、エアベアリングをRONDCOM CREST 専用の低振動仕様にアップグレードした新開発の機構です。 これらの駆動・ガイド方式を組み合わせることにより、回転精度や各軸の位置決め精度・真直度が格段に向上し、リファレンスマシンに相応しい世界最高クラスの超高精度を実現しました。また、駆動・ガイド方式ともに非接触構造のため、ガイド部の摩耗が生じず、長期にわたり安定した高精度を発揮します。
この度、世界最高クラスの精度を誇るRONDCOM CRESTに極細ブローブを搭載し、最小0.14㎜の極小穴内部の非接触測定を可能とした、RONDCOM CREST FiANAが誕生しました。
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プローブ自動挿入システム搭載
プローブ自動挿入システムを搭載。【特許出願中】どなたでも簡単に測定可能です。
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カットワークの作成不要
カットワークの作成は必要ありません。すぐに測定を開始できます。
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線測定による豊富な情報量
点測定から線測定へ。豊富な情報量で詳細な分析が可能になります。
Specifications & Features
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極細穴の内壁面の性状を
非接触センサで自動測定
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プローブ自動挿入システム
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プローブ自動挿入システム(詳細)
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カットワークの作成不要
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点測定から線測定へ。
豊富な情報量による詳細な解析が可能
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測定例: 直径0.2mm、
深さ0.8mm の穴形状
RONDCOMCREST FiANA - EYE
2019年にリリースされた最高精度のRONDCOM CRESTのベース技術を応用し、2021年に誕生した直径最小0.14mmの極細穴の内部測定に特化した新機種。他に類を見ない製品の開発に取り組んだ開発チームに、開発のポイントと今後の展望を聞きました。
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森井秀樹
計測社 技術部門
Surface & Form グループ
サブリーダー
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木村浩章
計測社 技術部門
Surface & Form グループ
主任
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森山克文
計測社 技術部門
Surface & Form グループ
新機種の特徴を教えてください。
森山
今回の新機種は、世界最高レベルの性能を誇る真円度・円筒形状測定機であるRONDCOM CRESTに新機能を追加したものです。RONDCOM CRESTの測定対象は、あらゆる機構部品等の軸や穴。ベアリングなどが正しく真円に作られているか、穴の入り口は真円でも内部にゆがみや傾きがないかなどを、接触式プローブを用いて測定できます。新機種では非接触プローブを採用し、測定に使用するプローブを非常に細くしたことで、極細穴の内壁に光を当て、跳ね返るデータを読み取れるようになりました。
RONDCOM CRESTの持つ最高性能の位置決め精度が新機種開発の核となりました。新機種では直径最小0.14mmの細穴に直径0.08 mmという、髪の毛ほどの細さの極細プローブを挿入できるようになりましたが、挿入位置が0.02 ㎜でもズレてしまったら測定不可能になってしまうからです。
開発に至ったきっかけを教えてください。
森山
自動車エンジンの部品メーカーから、燃費向上のためにある部品の細穴の真円度を追求したいという相談を受けたことです。その部品の細穴の内部詳細形状を計測する方法は今まで存在しなかったので、これまでお客様はおそらく、拡大画像で見える範囲だけをチェックしたり、実際にカットして接触式の測定器で測ったりされていたのだと思います。
他には、どんな分野に二ーズがあるとお考えですか?
木村
細穴を作ることが得意な企業は世の中にたくさんあります。しかしその内部の精度を正確に測ることができるところはほとんどありません。この装置がなければ測れないと言っていいでしょう。これまでは極細穴を測るという発想そのものがなく、諦めていた方も多いと思います。そんなお客様とのマッチングができたら嬉しいですね。
森井
医療機器、光通信、半導体など、マーケットは広範囲にあるはずです。「作る」と「測る」はものづくりの改善に欠かせない両輪です。「作る」と「測る」を繰り返すことで製品の性能が向上し、ブレイクスルーにつながることもあるでしょう。「測れないから、作れない」という思い込みでイノベーションが止まっていたら悲しいですよね。そこを我々の技術で一歩進められたら嬉しいです。
森山
将来的には、直径も測定できるようにしたいですね。
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開発時、難しかったことは何でしょうか。
森山
最も難しかったのは照明の調整です。RONDCOM CRESTの位置決め性能は素晴らしいですが、見えなければ意味がありません。カメラをのぞいて操作する方法ではうまくいかず、ソフト担当の木村さんと試行錯誤しながら照明や画像処理方法を調節しました。
木村
ソフト開発の面で苦労したことは3点ありました。1点は、お客様の使いやすさを考えて操作数を少なく、分かりやすくすること。2点目は、汎用性を持たせて開発し、少ないカスタマイズで他のお客様のご要望にも対応できるようにすること。そして最も苦労した3点目は、この2点を両立させることでした。
森山
ソフト設計もメカ設計もスピ―ドが求められる仕事なので、毎日のようにミーティングをしましたね。
森井
大変でしたが、チームでコミュニケーションが良くとれていたことが最大の成功要因ですね。メンバーそれぞれが自分の守備範囲だけにこだわっていたら、なかなか進まなかったでしょう。
森井さんはプロジェクトのまとめ役として、大変だったことはありましたか?
森井
穴とプローブを同軸に一致させる方法について議論していたとき、「今進めている方法よりも、別の方法のほうが良いのでは?」という流れになったんです。まとめ役としては、失敗した場合のことを想像すると、方針転換を決断することは恐怖ですよ。しかし悩んでいたら、森山さんがすぐに論理的にデータを出し、「別の方法で間違いなくできる」と決断を後押ししてくれました。結果として、機構はよりシンプルになり、カスタマイズも楽になりました。特許申請もたくさんできてほっとしましたね。
木村
みんなで話し合い、新しいアイデアが出たら、さらにアイデアをかぶせて、大喜利大会になったりします。うちのチームのコミュニケーションの良さは抜群ですよ。
今後の目標を教えてください。
森井
新しいことに挑んでこその開発チームなので、挑んでみて、間違いだったらすぐに引き返せばいい。たとえ失敗しても「新しい経験を積んだ」と考えて、また次のチャレンジをする。このプロセスを早く回すことが大事だと思っています。チャレンジは全力で推奨し、失敗した人は何もしない人より偉い、という考えをチームに根付かせたいですね。
木村
私は自慢できるソフトウェアを作りたいです。この目標は、入社した頃から変わりません。
森山
常に楽しく開発に取り組み、チャレンジを楽しみたいです。失敗してもマイナスに捉えず、失敗を重ねた先に成功があると思ってチャレンジし続けたいですね。他のチームメンバーにもプロジェクトに関われて楽しかった、やりがいがあったと思って欲しいです。
お互いに認め合うというのがチームの文化なので、チーム一丸となってどんどん新しいことにチャレンジしていきたいですね。
不可能に思える「測る」も可能に
これまで誰もなしえなかった極細穴の測定を可能にしたRONDCOM CREST FiANA。「測れないから、作れない」という思い込みをものづくりの現場からなくすため、東京精密はこれからも挑戦を続けます。