Introducing Shaftcom
「高速」「高精度」測定を実現生産現場にも設置できる光学式シャフト形状測定機。「シャフト形状」のワークの「寸法公差」と「幾何公差」を、「非接触」で、「高速」に評価可能
光学式シャフト測定機 Shaftcom
JENOPTIK Industrial Metrology Germany GmbH (以下イエナオプティック社)の「OPTICLINE」の測定ソリューションは、シャフト型ワークの測定において、幅広い評価オプションと多くのアプリケーション領域を提供しています。革新的かつ先駆的なこのシャフト測定システムは、25年以上にわたって世界中の幅広いユーザーに感動を与えてきました。 そして今、イエナオプティック社と東京精密は、このシャフト測定機「OPTICLINE」の日本国内における販売及び保守サービスに関して提携し、新たに東京精密の製品ラインナップに加え、「Shaftcom(シャフコム)」として販売を開始いたしました。 イエナオプティック社と東京精密は、製造プロセスの最適化と精密測定における世界的なスペシャリストです。産業用計測技術や光学式測定、柔軟性の高いロボットによる自動化などの分野における長年の経験とノウハウにより、自動車、航空宇宙、ヘルスケア、その他の製造業のお客様へ向けて、オーダーメイドの計測ソリューションを開発しています。
JENOPTIK・ACCTからのメッセージ
Otto Boucky, Managing Director JENOPTIK
長年にわたり、光軸測定機は三次元測定機の良きパートナーとして存在してきました。回転部品やシャフトなど、用途が限定的であるにも関わらず、驚異的な使いやすさとスピードでデメリットを補っています。長時間の複雑なプログラミングを必要とせず、オペレーターはワークを機械にセットし、光学スキャンを行ない、検査したい形状を選択するだけでよいのです。しかも全て、実際の生産環境下で行うことができるのです。 このため、光学計測は旋盤加工部品の初期サンプル計測や、ツール交換をして現場の機械で直接設置するための完璧なソリューションとなります。全数検査用に自動化ソリューションや統合ソリューションも用意しています。
2022年初頭より、Jenoptikと東京精密は、光学シャフト測定のフルラインナップ「Shaftcom」シリーズを日本市場に展開するためにパートナーシップを組んで緊密に協力しています。
「Jenoptikの20年以上の経験と東京精密の三次元測定機の経験や日本の産業界のニーズに関するノウハウ、そしてしっかりとしたサービスおよびサポート体制が、両者のコラボレーションを成功に導くでしょう。東京精密がこれまで培ってきた機器の使用に関するノウハウがあれば、三次元測定機の優れた製品ラインナップを補完し、包括的な計測ソリューションを日本の顧客に提供することができます。東京精密の日本市場での能力があれば、標準システムだけでなく、自動化環境でのカスタムソリューションも日本の顧客に確実に提供することが可能です。
今回の提携により、東京精密とJenoptikという計測分野の二大企業が力を合わせ、日本の顧客に最高のソリューションを提供することが可能になりました。東京精密と私の長年の関係を更に深め、このエキサイティングなコラボレーションに参加できることを楽しみにしています。」
株式会社東京精密 取締役 計測社カンパニー長 塚田修一
株式会社東京精密 取締役 計測社カンパニー長 塚田修一です。 平素より弊社をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
この度、光学機器のグローバルメーカーであるJENOPTIK Industrial Metrology Germany GmbH(以下、イエナオプティック)と東京精密は、シャフト測定機の日本国内における販売及び保守サービスに関して提携し、新たに東京精密の製品ラインナップに加え、「Shaftcom(シャフコム)」として販売を開始いたしました。 世界をリードするイエナオプティックの光学測定技術を、日本国内にて独占的に提供することにより、お客様のモノづくりの新たな可能性をご提供できますことを大変光栄に思います。
Shaftcomは軸ものの測定に特化した光学式シャフト測定機です。ラインスキャンカメラと8000ピクセルのイメージセンサで高速測定と高分解能を実現します。
今回、新たに加わったこの製品ポートフォリオと、私たち東京精密が1949年の創業時から培ってきた産業用計測技術、柔軟性の高いロボットと測定機を連動した自動化対応など、各分野における経験と「測る」技術により、お客様により最適なソリューションをご提案できるようになりました。また、私たちが測定機メーカとして長年研鑽を積んでまいりましたサービス・サポートのノウハウにより、常にお客様が安心してShaftcom(シャフコム)をご使用いただける環境を提供してまいります。
東京精密は今後も、お客様のモノづくりを支えるという想いを胸に、同じベクトルを持ったイエナオプティック社と力を合わせ、日本のモノづくり産業に対して新たな付加価値を創造してまいります。
光学式シャフト測定機Shafcom - EYE
東京精密は2021年秋、ドイツJENOPTIK社の光学式シャフト形状測定器を日本国内で独占販売する契約を締結し、2022年2月から販売を開始しました。契約プロジェクトを担当し、日本市場での販売と技術サポートを開始したメンバーに、これまでの経緯と今後の展望を聞きました。
外川陽一
計測社 技術部門coordinate measuring グループ
グループリーダー
高梨陵
計測社 技術部門coordinate measuring グループ
サブリーダー
市塚涼太
計測社 技術部門coordinate measuring グループ
小早川祥輝
計測社 技術部門coordinate measuring グループ
今回独占契約締結に至った経緯を教えてください。
小早川
Shaftcomはシャフトなど軸ものの測定に特化した光学式シャフト形状測定機で、ワークの寸法公差と幾何公差を高速・高精度に評価できます。非接触の光学式測定方式ですが、接触式のプローブもオプションで揃っているので、陰になって見えない部分も計測できます。
外川
当社のお客様の約60-70%は自動車関連部品の製造メーカー様やそのサプライヤー様などですが、クランクシャフトなど軸物の精度測定には、三次元測定機の接触式プローブが主に使われています。非接触の光学式シャフト形状測定機の方が高速に測定できますが、光学式シャフト形状測定機は商社を通して海外製品を購入する方法が主流でした。商社から購入した海外製品はメーカーからのメンテナンスやサポートをタイムリーに受けられないため、お客様として導入しにくいという状況がありました。そうした多くのお客様から「東京精密さんが光学式シャフト形状測定機を発売してくれたらいいのに」という声をいただいていました。おかげさまで、リリースと同時に非常の多くの引き合いをいただいております。
Shaftcomは欧米で高いシェアを誇っていますね。
外川
光学式シャフト形状測定機の市場規模は世界で約80億円ですが、このShaftcomは欧米での販売数第1位で約35%のシェアを占めます。しかし日本では光学式シャフト形状測定機の普及率はまだ2%程度です。海外製品を導入したお客様は、機器メーカーからの直接サポートがないために数値を信頼しきれず、接触式で測りなおして確認することも多かったそうです。
高梨
私たちは測定機メーカーとして創業当時から培ってきた、「測る」技術とサービス・サポートのノウハウがあると自負しています。Shaftcomは、工場への導入サポートも日常の技術サポートも私たちが行うので、十分に安心していただけるはずです。東京精密が2%のニーズを拡大すれば、JENOPTIK社も日本でのシェアを大きく獲得できるでしょう。
Shaftcomの特徴を教えてください。
外川
さまざまな大きさのワークに対応するだけでなく、生産ラインに組み込んだ自動化対応もできるなど、Shaftcomはラインナップが多彩です。ソフトウェアも非常に使いやすく、操作が容易です。二次元的な手動式の測定ではひとつのワークにつき数十分かかりますが、光学式なら数秒。これを生産ラインに組み込めるので、工程の途中での計測が可能になります。これは画期的です。
高梨
従来方式では最後に抜き取り検査を実施するケースが多かったので、不良品が見つかれば歩留まり率は大きく下がります。しかしShaftcomを工程の途中で使えば、その先のラインに不良品を流さずに済みます。人が手を出せない場所、例えばオイルで汚れがちな場所でも使えますし、人が稼働しない時間帯にも作業が進むようになります。生産工場にとって、速さと効率は何よりも大事ですから。
今後、Shaftcomをどんな製品に育てたいですか。
市塚
今はお客様のご意見や要望を収集している段階ですが、将来的にはJENOPTIK社と協業しながら機能を付加したり、オプションを拡充して、日本市場のニーズに沿った製品に育てたいですね。
プロジェクト遂行にあたり、このメンバーを選んだ理由を教えてください。
外川
弊社三次元座標測定機のスペシャリストたちの知見を頼り、このチームを組みました。私は三次元測定機を中心とした開発部門の責任者で、このプロジェクトでは主に契約書の取り交わし交渉を担当しました。 私は思い切りよくやってしまうタイプなので、サブリーダには慎重な高梨を。市塚は曖昧な状況でも、自分で判断して動いてくれるタイプなので、コロナ禍で不確定要素が多い状況だからこそ頼りにしました。小早川は入社2年目の若手ですが入社当時から海外志向がありました。コロナ禍のため渡航は叶いませんが、経験を積む機会になればと、参加してもらいました。
高梨
JENOPTIK社側とフェイストゥフェイスのトレーニングができない状態で販売が始まったので、苦労する面もあります。しかし、このメンバーならそれぞれの経験値で十分にカバーできる。頼りになります。
メンバーに選ばれたみなさんの今後の目標を教えてください。
小早川
私はアプリケーションエンジニアとして、お客様のサポートはもちろん社内向け勉強会を開催したりしています。本来ならドイツのJENOPTIK社でトレーニングができたはずですが、現在に至るまでオンラインだけでコミュニケーションをとっているので、ちょっと大変ですね。しかしこのプロジェクトに参加して一気に世界が広がったので、これを成長のチャンスにしたいです。
市塚
私は機械設計を担当しています。実働隊としてお客様のサポートに出向き、展示会などでも製品説明を行っています。サービス担当窓口でもあるのでお客様の質問に迅速に回答しなければなりません。こうした経験から得た知見を、将来は他の機器の設計に応用していきたいです。
高梨
お客様からの要望はやがて多様化し、いずれはShaftcomでカバーできない内容も出てくるでしょう。しかし当社の製品との組み合わせによって解決法を見出し、良い相乗効果を生み出して市場を拡大していきたいと考えています。
革新的なプロダクトをより多くのお客さまへ
欧米シェア率No.1の光学式シャフト形状測定機Shaftcom。長年培ってきた東京精密の「測る」技術とノウハウで、 革新的な海外製品においても一貫してお客さまのニーズに応えていきます。