お客さまに安心安全な提案をするため精度や分解度を重視し、新モデルを導入
精密部品の製造・加工だけでなく、受託検査も行う有限会社加々良クリエイト様に、測定機導入のきっかけや印象について伺いました。
有限会社加々良クリエイトについて
最初に御社の事業内容と特色を教えてください。
当社は主に、車の要素部品を作っており、そのうち7割が試作品、残り3割が量産部品やロボットの部品です。木型や、そのほかに砂型鋳物も作っていますが、面粗度の良さや寸法精度の高さを砂型で実現するという点で、先駆的な存在であったと自負しています。また切削加工では、5軸のマシニングセンタを多く持ち、短納期・高精度を図っている、というところが特色のひとつです。
製品採用のきっかけと導入後の感想
当社の測定機導入を決めた理由は何ですか?
現在の場所に工場を移転したタイミングで切削加工部門を立ち上げたのですが、品質を保証するためには三次元測定機、形状測定機の導入が必須でした。
そこで、東京精密を含め2社の製品を比較検討しました。他社のものは検査員のレベルを問わない、とっつきやすく人に優しいつくりになっていましたが、それに比べて東京精密の製品は、少しクセのある、マニアックなものになっており、その反面、拡張性が高いと感じたので、導入を決めました。(純粋に触ってみたいと思ったというのが本音ですが。)
表面粗さ測定機、三次元測定機、そして最新のX線CT装置も導入いただきましたが、そのきっかけは何でしょうか?
大手メーカーの設計者さんは、機能等に関する豊富な知識を用いて部品設計をされます。当社はVE提案等含め鋳造/切削加工を行います。そこで我々はもの造りを担う責任として、お客さまに安心、安全を担保した提案をしていきたいと考えました。そのためにX線CT装置は数年前から導入を検討していましたが、高価でなかなか踏みきれませんでした。
しかし、お客さまからの評価を得るために、品質保証の強化は絶対に必要です。そこで、思いきってMETROTOM 1500新モデルを導入しました。
導入を検討していたときは新モデルが発売されたばかりのタイミングで、旧モデルのほうが金額的にも納期的にも購入しやすいのではないかと案内されましたが、やはり精度や分解度を重視して新モデルを選びました。妥協はしたくなかったのです。これはこだわりの部分でもあるのですが、『造ったら測る、測れないものは造らない』を標語として、これに沿わないものは出荷しないということを社内スタッフにも訴えました。
東京精密も同じような標語を掲げてらっしゃいますよね。
はい。その点で御社には大変親近感を覚えております。
実際にZEISS METROTOM 1500新モデルを使用されて、いかがですか?
撮影データのきれいさに、お客さまみんなが感動されています。製品特有の形状が忠実に再現されているところには、驚かされました。
また正直、公的機関や大手メーカーが持つような価格帯の設備なので、持っているだけでもお客さまからの信頼度が違ってきたということを実感しています。
計測機器、東京精密に期待すること
今後の計測機器に関する希望などはありますか?
これからは図面ではなく、CAD データを扱う仕事が増えていくと強く感じています。そのため、いただいたCADデータを社内の検査工程にあるすべての計測機へどのように反映させるか、ということが課題になってきます。計測機の中だけで検査が完結する仕組みや、複数の計測機を統括する検査レポートのようなものを出せるようになるといいと思います。
東京精密に期待することはありますか?
今でも東京精密の営業は、問い合わせに対していつも丁寧で、面倒そうな声をいっさい出さないです。会社のイメージは、一人ひとりの「人」がつくるものだと思いますので、そういう姿勢は素晴らしいと感じています。
その上で、さらに期待することと言えば、やはりサポートの部分です。我々のような中小企業は、お客さまからの依頼に対して「できません」とは申し上げにくいのが現状です。しかし、東京精密のような大きなメーカーが「できない、測れない」と言えば、お客さまにも納得していただけます。そのようなサポートがあれば、我々もお客さまに対して、社内では測れないが、東京精密に測定可否検討および測定をお願いすることはできる、そういった提案も可能になります。
自分たちの背後に常に東京精密が存在している、という安心感をユーザーに与えてくれるようなメーカーに、ぜひなっていただけると嬉しいです。
有限会社加々良クリエイト
代表取締役
加々良 茂樹 様
有限会社加々良クリエイト
業務管理・品質管理グループ長
杉浦 順治 様
有限会社加々良クリエイト
昭和48年、愛知県碧南市に「加々良木型」として創業、平成14年に「有限会社加々良クリエイト」を設立。木型の設計・製作を手がける。その後、鋳造事業、切削加工事業にも手を広げ、今では木型・高精度砂型鋳造、切削加工、検査までの一括管理を実現している。社内コミュニケーションを重視し、失敗を恐れず、何ごとにも社員一丸となって取り組む社風で、事業の拡大・発展を続けている。
※2022年11月時点の記事です。