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大型の三次元座標測定機が新たな挑戦と付加価値の高いモノづくりを支える

大型の三次元座標測定機が新たな挑戦と付加価値の高いモノづくりを支える

株式会社クリスタル光学

光学結晶の研磨から航空機産業まで、超精密研磨加工の世界で一貫生産を推し進める株式会社クリスタル光学様に、その精度の高い製品群を支える測定機に対する感想や要望について伺いました。

株式会社クリスタル光学のモノづくり

株式会社クリスタル光学のモノづくり

クリスタル光学のモノづくりに対するお考えと測定に対するお考えをお聞かせください。

超精密研磨加工の世界では、精度の良し悪しが全てにおいて優先されます。たとえ見た目が非常に美しい製品であっても、ミクロンの単位、時にはナノの単位における精度が問題になることもあります。それだけに、当社では最終工程だけでなく製造工程における中間測定も行うなど、十分な製品精度が確保できるように注意を払っています。

一貫生産を行っているのも、設備投資の面にかかる費用などは不利かもしれませんが、一次加工会社から仕入れ、当社で二次・三次加工をしていると、納期的な問題や価格的な問題だけでなく、精度的な問題も生じかねないと考えたからです。

検査のための機器についても同じです。十分な精度を確保するため、製品を作るための機器と同じように、十分吟味した上で導入しています。

製品採用の判断基準

製品採用の判断基準

測定用機器を導入される際には、主にどのような点について検討されますか?

東京精密の測定機は複数導入していますが、私はこれらの機器を選定するにあたり、機器の優劣に加え、人間的なつながりをとても重視するようにしています。そういう意味で、東京精密とは今までのお付き合いを通して、しっかりとした信頼関係ができており、誠意のある会社という印象が強いですね。

最近導入したZEISS MMZ-Gに際しては、世界に3台しかないうちの1台というだけに大いに期待しましたが、それだけではなく、東京精密とカールツァイスというブランドに対する信頼も導入の動機づけになったことは否めません。

製品導入後の感想

製品導入後

製品導入後の感想についてお聞かせください。

ZEISS MMZ-Gを導入して一番に感じたのは、顧客が寄せる信頼感に違いが出てきたということです。この機器を持っているのなら信頼できる。そういう反応が感じられるようになりました。また、将来性のある事業として、航空機産業への参画を開始できたのも大型の三次元測定機があったからだと思っています。

 「常に自分と時代の一歩先を見つめる」という社訓どおり、今までも液晶や半導体など、世の中の動きより一歩先に参入して成功を収めてきました。またその一方では、いくら挑んでも精度が出せないというケースを経験したこともありました。そういうときでも測定したデータを顧客に示し、「ここがへこんでいます」「ここがぶれています」とお話しすることで、精度は出せなくても顧客がデータを把握できるようにすれば、最終製品化するときに対処できます。一応の合格ラインだから大丈夫だと納品してしまうのではなく、さらなる誤差についてデータで提示できるのは、精密な測定機を持っているメリットだと思っています。

今、我々は航空宇宙機器の関連部品を製造する工場としての規格の認証取得に向けた取り組みをしており、来春には認証取得の予定です。より付加価値の高いモノづくりをさらに進めていこうと考えています。

海外展開について

海外展開についてはどのようにお考えでしょうか?

今後は、付加価値の高い製品は国内生産、標準的なものは海外生産という流れになっていくと思います。それだけに、いいものを作るという意味で、若い人には「職人になるな、優れた技術者になれ」と伝えています。職人は1つのものにはすばらしい技術を持っていますが、それ以外の分野は不得手というケースが多く、やはり自ら作ったものを自ら測定し、評価しながら技術を向上させていくことが必要でしょう。次はもっと上のレベルを目指そう。その繰り返しが技術を向上させ、日本のモノづくりを支えていくと信じています。

計測機器、東京精密に期待すること 

計測機器について、また東京精密に対して期待することはございますか?

我々の製品は磨き上げたものです。したがって少しの傷もつけたくはありません。そこで球面でも精度を高く測定できる非接触型の機器があったらよいと思います。また持ち運びができて、機械の上でも高精度に測定できる簡易型の測定機があると便利でしょう。

東京精密のサービスやメンテナンスについては満足していますが、欲をいえば関西における拠点をもう少し充実してもらえるとありがたいですね。

桐野 茂 様

株式会社クリスタル光学

代表取締役社長

桐野 茂 様

株式会社クリスタル光学

株式会社クリスタル光学は、光学結晶の精密研磨会社として1985年に設立され、その高度な技術力を武器に、新素材や一般素材に至るまで超精密研磨加工に挑戦してきた。そして現在はマシニング・超精密切削、研削、研磨、測定に至るまで一貫生産を行いながら、環境保全、航空・宇宙、分析、半導体、液晶、光学関係と幅広い分野に挑戦し、日本の最先端産業を支えている。

※2012年11月時点の記事です。

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