
優れた設備力と技術力で多業種に高精度の部品加工を提供している株式会社中島ターレット様に、東京精密の製品採用のいきさつと使用感についてお伺いしました。
株式会社中島ターレットについて

事業内容や沿革について教えてください。
ちょうど今から60年前、先代社長がターレット旋盤を主体に小物部品の加工を始めたのが当社のスタートです。一時期は機械の組み立てにも携わったんですけど、不況になると仕事を引き上げられることがしばしばあったので、近年は機械加工1本に絞り、多品種小ロットでやっています。

今主力になっているウエハ搬送ロボットやクリーンロボットの仕事は25~26年前に始めました。主要なお客様が新しいロボットを開発するとのことで、試作を依頼されたんです。その時にそのお客様から「中島さんのところはいい品物を作る」と褒められました。そのポイントは治具化でした。治具を製造して使うとチャックとかバイスなどの手段より一手間余計にかかるのですが、それは昔から言われる「急がば回れ」ということで、それによっていいものができるのです。
飛行機の部品加工もやっていまして、13年前にJISQ 9100という航空宇宙の品質マネジメントシステムの認証を受けました。自分自身が小さい頃から飛行機が大好きだったということもありますけど、社員のモチベーション、プライドのためという一面もあります。自分の作った部品が飛行機の一部となって飛ぶことほど、モノづくりの好きな人のプライドが上がることはまずないですよね。
だから、航空関係の部品は売り上げとしてはそれほど多くないのですが、常に網を張っています。いつか、九州で航空機の部品をいっぱい作るようになったらいいですね。

会社として大切にしていることを教えてください。
稲盛和夫さんの教えを折に触れて伝えています。今日のルールというものを毎日定めていて、月曜日はとにかく明るく元気な大きな挨拶をしよう。火曜日はいつも謙虚に、感謝の気持ちを忘れないように、ありがとうという魔法の言葉をとにかく使いましょう。水曜日は、親切に相手の立場に立って発言や行動をしましょう。木曜日は報告、連絡。「報・連・相」。とにかく悪い報告は余計素早くね。そして、金曜日は余計な雑談をしないように、といった感じです。
いいものを作るのに大切なのは、会社の社訓でもある「至誠」、心です。ごまかして手を抜いたりしたら、いいものは絶対できない。「急がば回れ」で正確に作ろうと、特に若い人には言っています。

三次元座標測定機 ZEISS DuraMax(左)
中島ターレットの強みはどのようなところでしょうか。
強みは多種多様な設備、工作機械が社内にあることです。大小合わせて120台くらいありますから、それで一気通貫、ワンストップソリューションを実現しています。完成までの工程がここでまとめてできるわけですね。機械の台数が多いので検査する人も測定する人も多いし、現場の技能者もたくさんいます。だから量産も試作もできて、ある程度のキャパシティをこなせます。
機械を動かす技能者は80名近くいて、ほとんどは図面があれば切り替え、段取りまで全部自分でできます。これはすごいことだと私は思っています。機械は銀行から融資を受ければ買えますが、人の育成は簡単ではないですからね。
製品採用のきっかけ

XYZAX AXCEL(右)とXYZAX mju NEX(左)
東京精密の製品を導入した理由をお聞かせください。
以前は他社の測定機を使っていたのですが、それが古くなってきて、主要なお客さんと統一するために東京精密のものを導入しました。当社で出荷検査、先方で受け入れ検査をするのに、同じメーカーにしようということです。
それから次々と東京精密の三次元測定機に入れ替えているのですが、その要因は図面に幾何公差がついてくるようになったことです。シャフトの真円度を測定するために真円度測定機を買おうかとも思ったんですけど、それだとシャフトの真円度しか測れません。ならば三次元測定機のほうがいいということですね。
製品導入後の感想

東京精密の製品の魅力や導入の効果についてお聞かせください。
使い勝手の良さが魅力的です。例えば、加工をプログラム化した時に、基本的な操作や測定に関しては同様にできます。
カスタマープリントアウトという機能も重宝しています。測定結果を報告するときの形なんですけども、それが3種類あって、使い分けができます。加工工程の検査で加工者に分かりやすく説明するうえでも、グラフィックの中に数字を入れ込み、それを見ながら話ができるのは非常に便利です。現場と品質保証のディスカッションによって、お互いのスキルがアップするというメリットもあります。
操作が簡単なのもいいところで、プログラム化すれば三次元測定機を本来は扱えない人でも使いこなせます。経験が浅いとマイクロメーターとかアナログの測定機で測るのは難しいですから、三次元測定機を使うことで若手が品質や数字のデータに興味を示してくれるとありがたいです。実際、最近は自分たちでいいものを作っていこう、加工結果を確認しようという流れが生まれつつあって、三次元室の出入りが多くなっているように感じています。

株式会社中島ターレット
代表取締役
中嶋 英二郎 様

株式会社中島ターレット
専務取締役
中嶋 宏太朗 様

株式会社中島ターレット
品質保証課
林 智明 様

株式会社中島ターレット
品質保証課 班長
山田 修平 様
株式会社中島ターレット
1964年、中島ターレット工業所として発足。1988年、株式会社中島ターレットへ組織変更。「優れた技術力と設備力で高精度の加工をタイムリーに応える」をモットーに、ロボットや半導体製造装置の関連部品等を製造している。
※2024年10月時点の情報です。
製品情報