検査室ではなく現場で使える手軽さが作業者の負担を軽減する
総合力の高さで世の中の「あったらいいな」を実現している多摩川マイクロテップ株式会社様に、測定機の使用感や今後の課題などについてお伺いしました。
多摩川マイクロテップ株式会社について
まず、御社の事業内容を教えてください。
多摩川マイクロテップは、多摩川精機の100%子会社です。2011年にカムテップ、ミサヤママイクロテップ、レムキャストが合併して設立し、その後多摩川航空電装、多摩川航空電装機器が合併し、現在の多摩川マイクロテップとなりました。
数多くある子会社の中でも当社は少し特殊で、自動車、電車、飛行機といった、乗り物全般の部品を扱っています。これらすべての部品を製造している企業は、なかなかないのではないでしょうか。そのほか、アミューズメント用などのステップモータを製造しています。
事業比率はどのくらいなのですか?
車載機器製造事業が40%くらいです。世界シェアで言うと、ハイブリッド車の7割に多摩川精機グループのセンサーが入っています。トヨタに限れば、ほぼ100%になります。鉄道にも、速度を検出するセンサーのほか、車体の傾斜や車軸の温度といったものを検出するセンサーが入っています。自動車事業に次いで比率が高いのは民間航空機用機器製造事業で、20%くらいでしょうか。センサーやモーターなどの部品加工から、組み立てまでを一貫して行っています。もともと多摩川精機は、防衛産業のメーカーでした。最初は戦闘機の油圧メーターなどを作っていたのですが、のちにその技術を応用して、民需向けの事業へシフトしました。
飛行機には「バイワイヤシステム」というものが搭載されており、当社のセンサーはその中で重要な部品となっています。パイロットの操作が電気信号に変換され、それを、舵角やアクセル、ブレーキの角度を測るためのセンサーが読んで、機体を制御できるようになるんです。このあたりは多摩川精機グループの得意とする分野ですね。
多摩川マイクロテップ株式会社のモノづくり
小ロット多品種の加工の自動化は、ソリューションが難しいと聞きますが・・・
当社にはアイテムを流しているロボット付き加工機がありますが、製品を把持する爪を自動で換えるなど、段取り時間を短くしています。また、加工機の動いている時間のうち7割8割止まっていたロボットに、ワークの洗浄をさせることで、多品種の機械でも効率化を図っています。
協働型ロボットは御社でも使われているのでしょうか?
いくつか入っています。別のエリアでは、塗装用のロボットが稼働しています。昨今は人材採用が非常に難しくなってきているので、生産量のあるラインについては積極的に導入していきたいと考えています。
製品採用のきっかけ
自動化ソリューションBasic Package ZEISS DuraMax®を選択した理由をお聞かせください。
プログラミングのしやすさです。
また、検査室ではなく現場で使える手軽さが、現場の人間にとってはメリットが大きいです。それが可能だったのは、東京精密だけでした。使いやすさの面で言えば、ほかにも使いやすい他社製の測定機はありますが、原器までいけるトレーサビリティ体系がないと、航空機関連には使えませんから。
手前みそになりますが、弊社は航空機市場をターゲットにしたエアロソリューションのご提案もさせていただいております。今後もお役に立てることがあれば幸いです。
製品導入後の感想
東京精密の測定機を使ってみていかがですか?
当社の検出歯車に使う表面粗さ測定機は、東京精密のHANDYSURF+を使用しています。故障やトラブルもなく使えています。ただ、実は私ども、東京精密の三次元測定機を使うのは今回が初めてなんです。今回に限らず、他社製の測定機からの置換えについては、現場の立場としては大変な面もあるようです。プログラムの自動変換ツールみたいなものがあるといいですね。
計測機器、東京精密に期待すること
これからの東京精密に、どんなことを期待しますか?
メンテナンスの部分です。例えば故障したときや、何かあったときの対応です。機械や設備などもそうですが、連絡してもなかなか対応してくれないメーカーは、次回からは採用したくないと思ってしまいます。やはりサービス、サポートの部分は手厚くしていただきたいです。
あと、自動化ラインの中での計測機能で、工作機械と連動していなくても、違うラインの加工物を単体で、かつ1、2時間で測れるシステムが欲しいですね。
多摩川マイクロテップ株式会社
第二製造部
部長
代田 智勇 様
多摩川マイクロテップ株式会社
第二製造部
検出歯車加工課
金山 裕 様
多摩川マイクロテップ株式会社
2011年に多摩川精機(株)傘下の製造業3社が合併して設立。設備設計から加工、組立の一貫生産により、品質管理の一元化や短納期を実現している。親会社である多摩川精機創業者の「故郷に産業と雇用の確保を」という願いに従い、長野県飯田市で事業を展開。2014年には「長野県勤労統計調査優良事業所表彰」を受賞。
お客さまに喜ばれる製品づくりとともに、地域への貢献にも努めている。
※2022年11月時点の記事です。
製品情報