真円度測定機の導入によりお客さまの測定機に対する信頼度の高さを実感
高い技術力を武器にして高難度の注文にも応える仲精機株式会社様に、測定機を導入されたきっかけと使用感を伺いました。
仲精機株式会社について
最初に業務内容について教えてください。
当社は、今年創立70周年という節目を迎える総合メーカーです。得意としているのは、エアチャックやハンドプレス、かしめ機などの製造です。創業当初から受け継いだ専門メーカーとしての技術力の高さを、自社開発製品に活かせるよう心がけております。このような機械製造事業と、お客さまからいただいた外注加工事業を両輪で行っていることが特色です。
製品採用のきっかけ
真円度測定機を導入したきっかけは何でしょうか?
スピンドルに求められる幾何公差を安定させる、その要求に応えるためには真円度測定機が必要だと考え、今回導入を決めました。
高速機械メーカーからの外注加工依頼で、スピンドルの加工をすることがあるのですが、その際スピンドル本体の要求精度は非常に高いものになります。スピンドルは高速回転する部品ですので、外周の真円度はもちろん、ベアリングで支える支持部の同軸度、フランジとスピンドル軸の直角度を高精度にする必要があります。1マイクロメートル以下の精度で品質を安定させる必要があり、そうでないとスピンドルの振動でベアリングは早期摩耗し、ひいてはスピンドル本体の故障にもつながります。
2021年にEVモーター試験用の中間軸スピンドルを開発したのですが、検査には東京精密の真円度測定機を使用しました。
製品導入後の感想
実際に東京精密の真円度測定機を導入してみて、いかがでしょうか?
東京精密の真円度測定機RONDCOM NEXは、非常に使いやすく、お客さまのニーズに応えるためには必要不可欠なものだと思いました。
コラムストローク900mmという、長いスピンドルにも対応できるよう導入したのですが、図面指示された真円度、同軸度、直角度を、誰でも簡単に測定できるので、工作機械のドレスの管理やチャックの保持方法、加工データの補正などに役立てております。
使用感以上に印象的だったのは、お客さまの真円度測定機に対する信頼度の高さです。新規のお客さまへ営業する中で、真円度測定機の導入により品質への不安感が払拭されていると実感しました。ご契約いただいたお客さまからは、非常に優秀なスピンドルができることを期待されています。
今後の課題
スピンドルを精測する上での苦労や、今後の課題などをお聞かせください。
スピンドルは、本来なら温湿度管理がされた環境の中で、研磨加工の最終仕上げをします。しかし当社は工場が古いため、その管理が難しい状況です。そのような環境の中、「コンマ何ミクロン」という精度で仕上げるのは、従業員の匠の技術があってこそできることで、大変苦労しています。
例えば、当社はアルミの一枚板から削り出して車用テーブルを製作しているのですが、これは精密加工技術の高さがなければできないことです。そうした技術を、次の時代を担う若い世代へと教えていかなければなりませんが、納期もあるので、つい自分でやってしまうことが問題です。
もちろん機械の精度が上がっている分、熟達していない者でも製品をつくることはできます。ただ、そこに加わる技術者のひと匙、隠し味が、製品をより完成度の高いものにしてくれます。そのひと匙を、どうやって次世代へ伝承するかが、今後の課題です。
計測機器、東京精密に期待すること
これからの東京精密に期待することはありますか。
当社は、東京精密の半導体製造装置事業で部品加工の一部を任せていただいており、関わりがあります。そういう意味では、お互いに協力し合っているという一体感を覚えています。
また、当社は今後、三次元測定機などの導入も考えていますので、半導体製造装置と精密な測定器をつくられている東京精密には、期待するところも大きいです。今まで以上に使いやすく、幾何公差や表面粗さを現場で簡単に測定できるシステムや、工作機械に取り付けて機内で測定できるシステムの開発に、ぜひ取り組んでほしいと思います。
仲精機株式会社
代表取締役
後藤 勝一 様
仲精機株式会社
1952年に仲精機工作所として創立、1967年に仲精機株式会社となる。以来、「フレキシブルと独創」をキーワードに、常に新しい可能性を拡げている。
また、OEMによる精密機構部品製造とともに自社開発部品の製作を拡大し、部品試作を一貫工程で行う。
社の信条は「誠意、 技術、 実行、 合理性」。日進月歩の技術や時流に後れることなく、合理的でありながらも誠意をもって実行する―それを理想に成長を続けている。
※2022年11月時点の記事です。
製品情報