サプライチェーンマネジメント
東京精密グループはすべてのサプライヤの皆さまを大切なパートナーと考えています。当社グループはサプライヤさまとの協働によって、国際社会のニーズに応える責任ある企業として自律し、持続可能な社会に貢献する強固なサプライチェーンの構築を目指します。
調達方針
お客様に高機能で高品質な製品とサービスを提供するにあたり、全てのサプライヤーの皆様と調達を通じてパートナーシップを深め、相互協力・信頼関係を構築し、共に成長・発展することができる関係を築きます。
品質はもとより法令や社会規範を遵守し、人権・労働、安全衛生、地球環境保全、情報セキュリティなど社会的な責任を果たす調達活動をサプライチェーン全体で取り組みます。
公平・公正な評価プロセスとコミュニケーションを通じて、信頼できる優れたサプライヤーの皆様とともに、市場変化への対応や付加価値の高いものづくりを進めます。
推進体制
当社では、重要課題対応チームとしてサプライチェーンチームを常設しています。当チームは、生産管理部、品質保証部、サステナビリティ推進室、環境製品推進部門から構成され、リーダはサステナビリティ委員会のメンバーです。
サプライチェーンチームでは、サプライチェーンマネジメントおよびサステナビリティ調達に関する目標や施策を策定し、下部組織としてサプライチェーン推進部会が実行を担っています。
推進体制
サプライヤ CSR ガイドラインの策定と協力依頼
当社は、サプライチェーン全体で労働環境の安全、労働者の尊厳や環境負荷に対する企業責任など、国際社会の要求に応えるために、RBA(Responsible Business Alliance)への準拠を宣言しています。このRBA行動規範を踏まえ、「調達方針」「人権と労働」「安全と衛生」「環境」「倫理」「安全と品質」「情報セキュリティ」に関する要望を記載した『東京精密サプライヤCSRガイドライン』を制定しました。サプライヤの皆さまには、本ガイドラインの趣旨をご理解いただき、持続可能な調達活動の推進にご協力をお願いしています。
サプライヤCSRガイドラインの策定と協力依頼
東京精密 サプライヤCSRガイドライン
サプライヤCSRガイドライン 確認報告書
サプライヤ CSR 調査
当社では、2016年度よりSCM(サプライチェーンマネジメント)チェックシートによる調査を行っています。2022年度からはRBA SAQを参考にしたサステナビリティアセスメントを調達金額の上位56社に対して実施し、53社から回答を得ました(回答率94.6%)。アセスメント分析結果はサプライヤの皆さまにフィードバックし、点数の低い項目について是正・改善の取り組みを要請しています。
目標
実施目標
2023年度に調達金額割合80%に実施(126社)
調査項目
分類 | 設問数 | アセスメント項目 |
労働 | 19 | 外国人労働者や児童労働者、時間外労働や強制・虐待・差別などの人権に関する項目 |
安全衛生 | 11 | 職務上の安全、化学物質を使用する作業や肉体的負荷がある作業に関する項目 |
環境 | 8 | 自社の温室効果ガス排出量の把握と削減目標に関する項目 |
倫理 | 9 | 贈収賄や汚職、プライバシーや情報セキュリティに関する項目 |
管理体制 | 12 | 労働、安全衛生、環境、倫理への継続的な改善を図るプロセスの構築に関する項目 |
実績および調査結果
2022年度実績
調達金額割合26%に実施(56社)
環境影響(リスク)の抑制・管理
当社は、「環境管理体制調査書」、または「環境管理チェックリスト」を使用して調査・評価を行い、サプライチェーンにおける環境リスクの回避につなげる体制整備と管理をお願いしています。製品製造委託やサービスを委託するサプライヤさまには、大気汚染・水質汚濁・悪臭防止法・振動騒音施設・特別管理廃棄物など、人の健康または生活環境にかかわる調査を2年ごとに実施しています。
従業員研修
調達部門従業員を対象に研修を実施し、責任ある調達を推進する人財を育成しています。2022年度は、「下請法」「パートナーシップ構築宣言」「インボイス制度」などを実施しました。「下請法」については、全従業員を対象に研修を実施する予定です。
CSRセミナー
当社は、サプライヤさま主催の研修会にてCSRセミナーを毎年開催しています。サプライチェーン全体で社会的責任を果たす重要性をご理解いただくため、2022年度はRBA SAQについて説明し、国際社会の要求に応える調査協力をお願いしました。
2015年度
CSRの考え方
2016年度
「SCMチェックシート」の説明および調査依頼
2017年度
CSRの潮流/「SCMチェックシート」前年度結果報告/当社のCSR活動報告
2018年度
当社のCSR活動報告/CSRの潮流/サプライチェーンの取り組み/サプライヤCSRガイドライン(初版)の説明と「確認報告書」の提出依頼
2019年度
2020年製品含有禁止物質動向/2019年台風被害の情報共有/BCPの見直し/災害への対策紹介
2020年度
サプライヤWebシステムの説明/製品の環境法規制動向/CSRアンケート
2021年度
新型コロナウイルス感染予防のため中止
2022年度
CSR活動からサステナビリティ活動へ移行/RBAの行動規範を参考にしたセルフアセスメント
2023年度
サプライヤ向け説明会を実施
サプライヤ Web システム
当社が開発した「サプライヤWebシステム」を利用して、サプライヤの皆さまと、あまねく、重なりなく、情報を共有することを目指しています。本システムは、サプライヤCSR調査や地震・豪雨など災害発生の連絡および被害状況の調査、各種お知らせの発信など、日々、高まる情報共有のニーズに対応したものです。このシステムを活用して、サプライヤさまとのコミュニケーションを、より持続的に活発化させる体制の構築を目指しています。
サプライヤの評価制度
年に1回、サプライヤの表彰を実施しており、「品質」「コスト」「納期」「協力度」「マネジメント」の5項目の評価を行っています。2022年度は2社のサプライヤさまに感謝の意を表し、表彰しました。
通報窓口の設置
サプライヤさまとの取引において、当社ならびに当社役員・従業員等に法令、当社グループ行動規範、取引契約等に違反する行為がある場合、またはその疑いがある場合、ご通報いただく窓口を設置しておりますので、ご案内をいたします。
通報者の方およびその勤務先等に、通報をいただいたことをもって当社が不利益を与えることはございません。
通報に基づく調査の結果、問題が認められた場合には対応を取ってまいります。
各課題への取り組み